2010年9月5日日曜日

08 心配を吹き飛ばせ

メモ書き
ブライアン・トレーシー 「達成の心理学」
08 心配を吹き飛ばせ

人生の最も大切な目的は心の平安ですが、殆どの人が大切とは考えず、心の平安を持っている人は少ないのです。 もし大切だと考えているなら、その妨げになっているものは何かに気付くのに、こんなに手間取るはずはありません。

前に、大きな障害となる否定的行動パターン、失敗への恐怖と拒絶への恐怖についてお話ししましたが、これらのものは私たちの心の平安を乱す要因です。 それと、罪の意識、未熟者という意識、役立たずという意識、価値がないという意識なども心の平安を乱すのです。

さて、このセッションでは、こうした否定的感情についての、最後の鍵とも言うべき、否定的想像についてお話していきたいと思います。

この否定的想像という言葉は、今世紀の初頭に書かれたある文学作品から来ています。 この否定的想像というのは、私たちが、自分の中に創り出したもので、大きなストレスや鎮痛の原因となっています。 恐怖を呼び起こすと言っても良いでしょう。

最近目に付く、この恐怖の定義の一つは、現実的想像体験と言われているものです。 現実的想像体験、つまり、私たちが心の中で想像したことが、そのことに拘れば拘るほど現実味を帯びてくるのです。

私には子どもが四人いますが、せがまれてなんですが、彼らにホラー映画などを見せた後など、ベットの下や食器棚の中などに怪物が潜んでいるように思ってしまうのです。 想像したことを現実と思ってしまうのです。 あるとき、三番目の子どものミッシェルなど、寝室に怪物がいると言い張って、寝かしつけることができなかったほどです。

否定的想像とは何でしょう。  別の言い方をすれば、心配とか悩みです。 心配とは、優柔不断からくる恐怖の一環です。 優柔不断からくる恐怖の一環と言えます。 言い換えれば、決断を下せば心配など一掃してしまうのです。

数年前に数千人を対象とした調査が行われました。 現在の悩みは何かという調査です。 その集計をしたところ、次のようなものであることがわかりました。 悩みの40%は、有り得ないことについての心配でした。 後になれば起きるはずもないとわかった事柄です。 遅刻するのではとか、失業してしまうのではとか、期日に間に合わないとか、人間関係などです。 次に30%は、過去の出来事、今更どうにもならないことに対する悩みでした。 そして12%は、健康に関するもので、大部分、無用の心配でした。 たとえば、痛みや病気、不快感などですが、そう思っているだけで何の根拠もありませんでした。 10%は、まったく些細な悩みでした。 駐車料金が足りるだろうかとか、電話をくれるだろうかといった日常的な心配でした。 唯一8%の悩みだけが、大変重要なものでした。 このうちの半分、つまり4%は、自分の範疇外の心配でした。 どこかで戦争が起きやしないかといった類のものです。 そんなことを心配したってどうにもならないでしょう。 つまり、この調査でわかったことは、心配している悩みの96%、あるいはそれ以上が問題にならないもので、起こるはずも無く、心配に値しないものでした。

悩みはどこからくるのでしょう。 精神的なものです。 事実、もし両親が心配性な家庭で育ったとしたら、あなたも心配性になるでしょう。 これは条件反射なのです。

あなたにとって大切な両親が心配しているのを見れば、あなたも一緒になって心配をしてしまいます。 4,5歳の子どもで、すっかり心配性になって、いつも両親と一緒になって何でもないことを心配し続けている子どもを知っていますが、自分の空想を現実と錯覚しているに過ぎません。

さあ、そこで、悩みを消すのに役立つ秘訣を2,3お教えしましょう。

第一、最も一般的なものですが、これです。 日々を精一杯生きる。 日々を精一杯生きる。 明日のことは心配しないことです。 半年後、一年後にどんなことが起こるかなど心配せず、今できることを精一杯やることです。 ルーズベルトの素晴らしい言葉があります。 こんな言葉です。 「今自分の持てるもので今持てることをしなさい。そして、それ以外は何も心配しないことだ」 「今自分の持てるもので今持てることをしなさい。それ以外は何も心配しないことだ」

心配を克服する第二の鍵は、私自信、仕事上でさまざまな難問を抱えていますが、事実を把握することです。 これは重要なことです。 事実を把握する。 見せ掛けの事実、一点を捉えた事実、思い込んでいる事実ではなく、真実を捉えることです。 時間を掛けて状況を良く調べ、真実は何かを見つけてください。 殆どの心配は、十分に事実を把握できれば消滅するものです。

もし、誰かが何かをしたとかしなかったとか、仕事や生活や人間関係に変化があるだろうなどと耳にしたときには、確認するのです。 その人を呼んで、正しい情報を仕入れ、答えを見つけることです。 そうすれば、その事実によって心配は解消されるでしょう。 心配性の人の多くは、実際に何が起こっているのか確かめようともせず、ただ心配しているだけなのです。

人に尋ね、調査し、本を読んだり、下調べをして、事実を把握するのです。 仕事での成功にしろ、他の方面での努力に対する成果にしろ、大切なことは必要な事実を把握することです。 そうすれば、正しい最新の答えが見つかるでしょう。

第三は、ゴーストバスターならぬ、ウォリーバスターです。 心配事やっつけ人ともいうこの言葉は、このセミナーの卒業生が考えたものですが、文字通り、仕事や精神の病気に役立ったということです。 これは最も簡単なテクニックですが、強烈な効果があり、4つのステップから成っています。

まず第一ですが、もし気になることがあれば、書き出して明確にすることです。 書き出して明確にする。 落ち着いて書き出してみることです。 何を心配しているんだろうかと落ち着いて書き出すことです。 心配の種はこれで、その状況はこうなっていると書き出すのです。 医学では正しい診断ができれば、半分は治ったも同然と言われています。 正しい診断です。 書き出すことによって50%は解消するのです。

さて、ここで大事なことは、もしあなたがとてつもなく大きな問題を抱えていたり、複数の問題を抱えているのなら、これを複合状態と言いますが、まあ、大抵は3つや4つの問題は抱えているものですが、書き出して明確にすることです。 1,2,3,4、こんな風に小さな問題が重なって心配している場合は、その一つが解消すれば他の問題も自然と解消することもあります。 本当に大変なのは一つだけで、他は大した問題ではないこともあるのです。 問題を書き出して明確にすることです。

二番目、こうして書き出したら、ここが大切なのですが、最悪の結果を図ることです。 最悪の結果は何か、つまり、こうした状況の結果として予想される最悪の結果は何かということです。 そのままにしておいたら、どんな最悪の状態になるか、それを予測することです。 ところで、面白いことに、心配というものは事件そのものが心配の種ではなく、更にいえば、私たちを悩ますのは事件ではなく、その予感なのですが、そうならないようにと願ったり、祈ったりする心理的抵抗が心を悩ますので、もし、最悪の結果を心の中で予測し、書き出すことによって、起こりうる最悪の結果はこうなるだろうということを明確にし、紙に書き出せば、驚くほど心配は消滅します。 最悪の結果を認識すれば、心配は消滅するのです。

ストレスは、そうなりたくないと思うから起きるのです。 また後で話しますが、これは否定する心の表れです。 否定です。 たとえば、あなたが何かに投資したとしましょう。 そして、どんどん悪化したとします。 そこで考えるべきは、この投資の最悪の結果は何だろうかということです。 最悪はすべてを失うかもしれないということです。 いったんそう思えば、それ以上はあまり心配しなくなります。 結果がわかっているからです。

第三のステップ、ああ、その前に人間関係についてお話ししましょう。 時として、人間関係が不味くなることもありますが、さて最悪の状態は何でしょう。 考えられる最悪の状態とは、その人との人間関係を失うことですね。 だからって死ぬほどのことかい。 投資に失敗したからといって、失業したからといって、人間関係がダメになったからといって、死ぬほどのことかね。  答えはもちろんノーです。 どんな状況からでも立ち直れるのです。

さて、第三のステップです。 ところで、よく癌の兆候があっても、それを知らされるのを嫌がって、 医者に行こうとしない人が良くいますね。 知りたくないと思う気持ちが益々状況を悪化させることになり、やっと決心して医者に行ったときには、もう手遅れになってしまっている、癌だと告知されるのが嫌で医者に行かず、助かる時期を外してしまったのです。 で、第三、起こるべき、最悪の結果を受けて立つ覚悟をすることです。 起こるべき最悪の結果を受けて立つ覚悟をする。 受身になるとか運命論ではなく、ただ為す術が無くそうなるしかないのだったら、受けて立とうということです。

私が常に考えているのが、為す術が無いのなら、それに耐えよ。 為す術が無いのなら、それに耐えることと言うことです。 わかった、そうなるならそれを受け入れ、それと共存する術を学ぼう、それに潰されることもないし、死ぬようなこともないさと言えることです。

第四のステップ、最悪の状態をより良くするために、直ちに行動を起こすことです。 どういうことかというと、起きてしまったことに対してはそれを受け入れ、その状態とうまく共存していこうと決心することです。 そうなれば、事前にすべての手を打って、最悪は免れるようにするはずです。

仕事ではこれを、ミニマックスと呼んでいます。 つまり、大きな後悔を最小限に抑えることで、何が最悪なことであり、後悔を最小限にするためには、何ができるかという意味です。 このミニマックスの技法は素晴らしいテクニックで、心をすっかり晴れさせてくれます。 使い勝手からいって、最良の方法と言えるでしょう。

紙の中央にこのように縦線を引き、上の方に横線を引いてください。 そしてここにWPO、あ、失礼、ここには問題点を書いてください。 つまり、あなたが今悩んでいる問題点です。 そして、ここにWPO、最悪の結果と書きます。 そして、1、悩みはこれで言葉に出して書き込み、その最悪の結果はこれこれ、

2つめ、悩みはこれでこの最悪の結果はこれこれといったように書いていきます。 これをやれば、問題は解消されていくでしょう。 もちろん、全部というわけにはいきませんが、ストレスや緊張の殆どはなくなり、 心が澄み、その澄んだ心で、効果的な対処ができるようになるでしょう。

さて、心配事の否定的な現象に対する、最後のステップは、解毒剤は何かということです。 心配の解毒剤は何か、何だと思いますか。 簡単です。 目的を持った行動です。 心配に対する解毒剤は、これしかありません。 あなたにそういう行動を取らせるすべてのものが解毒剤なのです。

シェークスピアも言っているように、「困難な海に武器を持って立ち向かえ、そうすれば、いつかは終わりを告げるのです」。 目的を持った行動が取れるなら、何であれ、あなたの心配を取り除けるのです。 というのも、これこそが「置き換えの法則」だからです。

問題に取り組み、解決法を考え、目的のある行動を取れるようにしないと、常に心配に尽きまとわれます。 心配に当てるような時間は、なるべく作らないことです。 心配は、否定的目標設定と言えます。

前に「集中の法則」についてお話しましたね。 これは何であれ、拘れば大きくなるということでした。 心配事があるとき、どんな行動をしていると思いますか。 あなたの取っている行動と言えば、自分の望まないことについてクヨクヨと考え、話し、それに固執し、イメージしているだけなのです。 「期待の法則」とは望んでいれば実現するというもので、嫌なことをいつも考えていれば起きてしまうと本にも書かれています。 「引力の法則」は、自分の核となる考えに沿った人間環境や環境を引き付けるとしています。 心配に対していろいろなことを言ってきたのは、心配をまったくしない人たちもあるからです。

ところで、こうした最悪の結果を覚悟し、心配を吹き飛ばす方法は、同時に意思決定の素晴らしい方法でもあるのです。 何らかの状況に陥り、いずれかの断を下さなければならなくなったとき、まず考えるべきことは、起こりうる最悪のことは何かということです。

あの世界有数の資産家ホルゲッティも、この最悪を覚悟する方法を、自分の係わっている取り引きで段を下さなければならないときは、いつも活用していたと言っています。 どんな状況になっても、いつも彼は起こり得る最悪の状況は何かを考え、そうならない手を打ったのです。 さあ、たった今から、心配や想像と現実の錯覚などを吹き飛ばし、起こり得る最悪の結果を受けて立つ覚悟をし、心配事を克服し、常にできるだけ建設的な行動に全力を注ぐことを心に誓ってください。

これこそが、最悪の否定的感情を取り除く秘訣なのです。
 
 

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